緑内障とは
緑内障は視野が狭くなっていき、最終的には中心部しか見えなくなってしまう病気です。初期段階はほとんど自覚症状がなく、視野がかなり狭くなってから気づかれる方がほとんどです。普段は、視野の中心部しか焦点を合わせていない、片方の目が見えにくくなってももう片方の目では見えているなどの理由により、周辺から少しずつ視野が狭くなっていっても気づきにくいのです。
緑内障の原因
緑内障が発症するメカニズムは2つあると言われています。1つは眼圧が高くなり、その眼圧で神経が圧迫されてしまう「眼圧説」、もう1つは血流が悪くなり、神経が傷んでしまう「血流説」です。いずれも、緑内障へのなりやすさには個人差があるため、一概に「これくらいの状態であれば緑内障になりやすい」とは言えません。
緑内障の症状
人は視野の25%が欠けても気づかないくらい、視野に関しては自覚症状を持ちにくいものです。実際にご来院される患者様も「なんとなく視野が狭くなった気がする」と仰る方が多く、明確にセルフチェックする方法は残念ながらありません。少しでも視野に違和感があると思われた時点で、すぐに当院へご相談ください。
緑内障の治療
緑内障には3つの治療法があり、その症状の進行度合いや患者様のご希望に応じて、選択していくことになります。
目薬
初期段階では眼圧を下げたり血流を良くしたりする目薬を使った治療を行います。初めは1種類の目薬から使い始めて、進行が抑えられない場合には種類を増やしていくことになります。ただし、4種類以上に増やしてもあまり効果はないと言われているため、3種類の目薬を処方しても症状が進行してしまう場合には、別の治療法を検討することになります。実際には、ほとんどの患者様は目薬のみの治療で済んでいます。
レーザー
目の組織を破壊せずに眼圧を下げることのできる新しいレーザー治療法として、近年、SLT(選択的レーザー隅角形成術)という方法が開発されました。目薬による麻酔をした後に、数分間レーザーを照射するだけで、半年〜1年くらい効果が持続します。この方法は、7割〜8割の緑内障患者様に効果があると言われています。なお、レーザー治療には保険が適用され、3割負担の方でおよそ3万円になります。
手術
緑内障の手術には2種類の方法があります。
1. トラベクロトミー
線維柱帯を切開することで房水の出を良くし、眼圧が上がらないようにします。
- メリット:術後の感染が起きにくい
- デメリット:長期的な効果は期待できない
費用は、3割負担の方でおよそ6万円です。
2. トラベクレクトミー
目に穴を開けて房水を持続的に排出することで、眼圧が上がらないようにします。
- メリット:高い効果が期待できる
- デメリット:目の外と中を繋げるため、感染リスクが高まる
費用は、3割負担の方でおよそ6万円です。